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□いつかの未来
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今までの僕を支えたのはマナがくれた愛情で、当たり前のように僕は僕だと思っていた。


その2つともが不確かで
とても脆いものだと知ってしまった僕は、

一体どうしたらいいですか?








「泣けばいいんさぁ」


いつもと変わらない口調でラビが答えた。

難しそうな本を読んでいたラビの部屋にいきなりお邪魔して、いきなり重い話をした僕にラビは驚かない。

僕のために用意してくれたコーヒーは僕好みの甘さで、なんだか泣きたくなってくる。


「ラビは優しいですね」

「好きなこには尽くすタイプなんさ」

「あんまり甘やかすとほんとに泣きますよ」

「ん、泣いて?」


にこ、と笑って頭をくしゃくしゃにされた。

俺は泣けないけど、アレンはまだ泣けるでしょ。

その言葉に本当に涙腺が緩みそうになる。


「珍しく弱ってんじゃん。どした?」


「…なにが正しいのか、わからなくなってきて」

「あー、色々あったしなぁ」


とりあえずお疲れさん、とラビは優しく微笑った。

わざと軽い口調で言うのはラビの優しさだと知っている。

僕は千年伯爵の仲間なのかもしれなくて、いつラビたちを裏切ってしまうかもわからなくて。

そんな状況なのにいつもと変わらない態度で接してくれるのはとても有り難い。


「…なぁ、アレンは俺のことわかるよな?」


唐突に降ってきた問いかけに、え、と間抜けな声を漏らすとラビは優しく微笑んでくれていた。


「名前とか、立場とか。」

「…ラビ、ですよね」

「うん、それで?」

「…僕の恋人です」

「正解。それだけわかってりゃ十分さぁ」


いつまでいてやれるかわかんないけど、“ラビ”はずっと側にいる。


始め何を言っているのかわからなくて、じっとラビを見つめて、そしてその意味に気づいた。

あぁそうか、ブックマンは場所をかえるたびに名前を変えるんだった。


「…遠くに行っても、そばにいてくれるんですか?」

「うん。心だけでもそばにいさせて?」


困ったように笑ったラビが愛しくて、本当にそれだけでいいんじゃないかと思ってしまう。

甘いのかもしれないけれど、逃げなのかもしれないけれど…それでも。


「…じゃあ、大丈夫ですね。」


自然とそう思えた僕は、まだまだ頑張れるのかもしれない。








君がいるから



(僕はまた、前を向けるよ)







10/01/07 up

久しぶりすぎるラビアレでした^^
相変わらずラビが好きすぎてやばいです。

ラビアレは昔甘々な話しか書いてなかったのに最近はシリアスばかりですどうしよう(笑




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