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□冷たい錠剤
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あの光が射した日々はもう 目の前から無くなり
君の顔さえ思い出せない 質素な部屋の中で
いつから見失ったのだろう あの日々を

冷たい時代に気付かないまま 取り残された遺児は
誰も知らぬ冷たい部屋で 独りきり

もう戻れない“儚く散った幸せ”
この身を突き刺す“凍える風に揺れる”
頬を伝う涙を“拭うこともせず”
ただ“あの時代”を夢見るよ
誰も戻らないこの部屋で

君はもう忘れたのだろう 目の前から無くなり
もう一度共に過ごしたい 願いも部屋の中で
寂しさを募らせたままで 消えてイく

冷たい時代に気付かないまま 取り残された遺児は
誰も知らぬ冷たい部屋で 独りきり

もう戻れない“儚く散った幸せ”
隠されていた“錠剤が揺れている”
透明な水で“流し込む間さえ”
ただ“あの時代”を夢見るよ
誰も戻らないこの部屋で

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