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□鎮魂歌
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蒼白い肌に刺さる 銀の剣は艶かしく
色を変え紅に染まり妖しく光を放っていた

閉ざされた夢の続き 今はもう 思い出せない
君の見た最期の画は 信じた人の裏切りの眼

蒼白い肌から零れた 紅い血潮の海
見開かれた眼球では もう何も映せない
零れ出た最後の涙 黒く澱み流れる

旅立った君を追って空を飛んだ
痛みさえ感じない 絶望さえも
君の感じた苦しみさえも知らず
砕け散る鉄臭い紅の破片が
蒼白い君を鮮やかに飾る

未来あるその君に 託された悲しい使命
突き刺さる剣が肌を裂いて君は永久の眠りへ

聞こえていた拍動は 今はもう 聞こえはしない
孤独に眠る君の 側に今すぐ飛んでいくから

旅立った君を追って空を飛んだ
痛みさえ感じない 絶望さえも
君の感じた苦しみさえも知らず
砕け散る鉄臭い紅の破片が
蒼白い君を鮮やかに飾る

やがて来る終末は全てを消す
大地を染めた色と君から流れた
澱んだ涙は同じ色となって
風に吹かれて響く鎮魂歌さえも
聞こえはせず ただ虚しく 空へ消えた

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