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□Psychosomatic bard
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背中の白い翼を羽ばたかせ
自由な空をまだ飛びたかった
折れた翼は動かせないままで
柔らかな包帯で巻かれてる

君は不安そうに窓の外を見て
悲しそうな顔をして鍵をかける
縛り付けられた狭いベッドの上で
君に空の事を教えてあげる

開かない窓から広い空を見上げて
輝く太陽の光に目を細め
まだ飛べない翼を動かしてみた
早く空に帰りたいと願いながら

空を飛べない不自由さだけが
翼に残る疵を疼かせる
君の腕に食い込むその爪が
とてつもなく痛々しく見えた

君は不安そうに僕の顔を見て
悲しうに絞り出した声で泣く
緩んだ螺子が窓から抜け落ちた時
君に空の事を教えてあげる

開いた窓から広い空を見上げて
巻かれていた包帯を床に投げ捨て
もう飛べない翼を動かしてみた
月と太陽に手を伸ばしながら

墜ちた僕を紅い雨だけが
優しく冷たく包み込んだ
そんな僕を窓から見る君の
声と涙が零れ落ちる

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