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□Posthumously Restraint
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白い浴槽につかる君の 喉を切り裂いた
硝子に飛び散る紅い雫 香る鉄のにおい

怖がっていた 悲しんでいた 絶望だった?
あの表情が本当に好ましくて
逃げ惑ってた 叫ぼうとした 絶望だった?
響いた断末魔が美しくて

喉から聞こえた空気の音と共に
噴出した紅で出来た 血塗れの海
鮮やかに染まる君の胸にナイフを
そして紅い君の胸から心臓を

白い皿の上に乗る君の 紅い心臓は
少しずつ熱を失って 君を忘れていく

大好きだった 大嫌いだった 怖かった?
突然の衝動にかられて
楽しんでいた 笑っていた 絶望だった?
どうしても君だけが欲しくて
愛していた 愛していた 恐怖だった?
君を失うのがとても嫌で
追っていた 捕まえていた そう、満足だった。
僕と二度と離れないようにと

喉から聞こえた空気の音と共に
紅い死体に変わった 血塗れの君
鮮やかな色の心臓にナイフを
そして君の欠片をこの内臓へと

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