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□紅き籠
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混じり合う紅にこの素肌を沈めながら
枯れていく魂の叫びを聞いていた

頭上の籠からは止め処なく紅い雫が滴り落ち
この老いていく身体を紅く染めながら若返らせていく
そして美しく染まる肌と引き換えに紅い籠に捧ぐ
無数の若き処女達の命と響き渡る断末魔

本能よりも求める美への執着心の底に
消えた罪悪感がまた私を歪ませて消えていく
美しくある為だけに生まれて育った欲望は
果てしなく美を求めつづけるのだろう

混じり合う悲鳴にこの身体を沈めながら
枯れていく魂の雫を浴びていた

光の届かないこの場所は黒と赤だけに染められて
この姿は久遠となっても呪いのように語り継がれる
最期まで美しく咲く花と引き換えに紅い籠に捧ぐ
無数の若き処女達の命と響き渡る断末魔

本能よりも求める美への執着心の底に
捕らわれたままの愚かな私が溺れて消えていく
美の結晶と称えられ消えはしない誉れは
果てしなく美を求めつづけるのだろう
滴り落ちる雫を舐め取るこの美しき姿が
いつか老いて朽ち果てるのなら私は消えるのだろう
どの宝石よりも魅惑的に引きずり込むものが
果てしなく血を求めつづけるのだろう

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