+collected poems+***

□Kranke
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痛々しい姿で運び込まれた君は
狂ったように胸を掻き毟っていた

機械的な部屋に運ばれ 応急処置を
蝕む病の名は……「妄想・薬物・中毒」

全てを吐き出せば一時の安楽を得るだろう
一欠けらの心配と多大な迷惑を背負って
腕に繋がれたチューブを見つめて君は呟いた

「ドウシテ僕ハ生キテルノ」

無機質な部屋に運ばれて不安が募る
何も出来ぬ束縛された部屋の中

苦しみを鎮めるために 沢山の錠剤を
蝕む症状の名は……「自滅・妄想・中毒」

全てを吐き出せば一時の安楽を得るだろう
一欠けらの心配と多大な迷惑を背負って
再び薬が切れた時君は呟くだろう

「ドウシテ刃物ガ無イノ」

全てを取り上げられれば君は絶望するだろう
見放された存在はこの部屋で生き延びながら
繋がれたチューブを剥ぎ取り
血管の上を掻き毟り
舌を噛み切ろうと藻掻いて
「死ねない」と泣き叫びながら
胸のもどかしさを吐き散らしながら生きるのだろう

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