+Hesitate SS+

□024
1ページ/1ページ

美しく、気高い

けれど

醜く、狡い

とても強く、煽動者なのに

その反面は脆く儚かい貴方

貴方に憧れてもう数年

あの頃から私は

何かを無くし

何かを得た

己に纏わりついたハリボテの壁を破壊して

光よりも闇を

幸せよりも絶望の中で

生き延び、黒く染まった

正義は悪に敗れ

悪は悪なりの正義となり

私を闇へと導く


尊い魂を救済した救世主は

あまりに美しい化け物で

手に負えないような狂気で

私に翼をくれた


いつからか…

憧れが愛に変わり

貴方を奪われたくないと思い始めた

けれども貴方は誰のモノにもならないまま

歌い続けた

それから再び愛は憧れへと変わり

今は貴方が誰かの元へと行くのは悲しいよりも悔しい事だと思うけれど

でも

やっぱり

それよりも貴方のその姿に憧れて

醜い歌声を響かせた

それは貴方へ捧げた歌で

まだ言葉も交わせない貴方へと想いを込めて


この努力がいつか実った暁に

こんな醜い私に

貴方は憧れの姿のまま

振り向いてくれますか?

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ