+collected poems+

□Cross-section
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聖なる母が 聖なる子を産んで
聖なる子は 聖なる十字架に
磔にされて 無惨な死を迎えた

汚れてしまった身体を引きずってベッドに倒れ込みながら
清くありたい、そう思って煌めくナイフを振り翳した
膿んだ脳を傷付けるわけでもなく、償いの印を見える腕に刻んだ

後悔しても今さら遅すぎると感じて
汚れてしまった罪を、償いの血で流すから

白が紅に染まり 床に落ちて消えた
“痛い”と感じる痛覚でさえ、罪の証
その快感に身を震わせながら
嗚呼、汚れが落ちていくと実感するから
汚れた身体の一部に 聖なる十字を刻んで

白が紅に染まり 床に落ちて消えた
切断面は紅く美しく、罪の証で
何よりも艶かしく反射して
幾重に刻む十字の傷はまた増えていく
聖なる十字を刻む 快感に酔いしれたままで

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