+collected poems

□アバンダンメント・ベビー
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波打つ鼓動に気づいて 耳を澄ます
先の見えない暗闇の中で聞こえる声に
幸せな未来を描いていた

マリアの中に宿されたイエスの様に
   残酷な運命を架されることも無く 生まれるのなら

暗闇に差した一筋の明かりに導かれて
光に包まれる時が来たら 「優しく名前を呼んで」
未完成な記憶に微かに刻んだ
涙の雫を血で濁す感触を 忘れる事は
出来ないから

小さな呼吸を一つ 叫び続けた
そしてソレをも隠す大きな布の中に
包まれて一人遺棄されていた

マリアの中に宿されたイエスの様に
   残酷な運命を架されることもことも無く生まれたのなら

暗闇に差した一筋の明かりに導かれて
光に包まれる時が来たら 「優しく名前を呼んで」
未完成な記憶に微かに刻んだ
震える手と温かな肌の感触を 忘れる事は
出来ないから

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