+collected poems

□メビウス
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憎むべき相手が目の前にいて
今にもナイフを振り上げたいけど
そのこみ上げる感情を堪え
粉然とした思いも噛み殺し
最後までこの嘘を突き通してみせよう

自らが蒔いた種が発芽→そして開花して
その花は自分が望んだ花とは違った
無垢な魂はその違いの間で生まれた
憎しみを増殖させ 憎悪に染まりながら
いつか報復を与えようと息を潜める

鉄の処女で動きを封じられ 徐々に命を吸われる前に
苦しまず
狂死してしまう弱者を演じたままで
最後まで押し殺した感情を表すナイフを
その手に握ったまま 頭抜けた愚かさを嘲笑った
最後まで相容れぬ双方の心は
まるでメビウスの輪の様に永久に交わらない

自らが蒔いた種が発芽→そして開花して
その花は自分が望んだ花とは違った
無垢な魂はその違いの間に挟まれ
黒暗々とした瞳が濁った瞳を睨み
いつか報復を与えようと息を潜める

磔刑で完全に動きを封じられ 徐々に命を吸われる前に
一度だけ
救いの手を求めミサをする弱者
最後まで押し殺した感情を表すナイフを
その胸に突き刺したい衝動を抑えて
夢を見せ
最後まで相容れぬ双方の心は
まるでメビウスの輪の様に永久に交わらない

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