報告書3

□夜が明けるとき
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辺りは暗く、誰一人も道をゆくものはいない


折角の満月も雲で隠れてあたり一面に広がるのは闇


「っ…飲みすぎたか」

ゆっくりと立ち上がる人影が公園に一つ。土方は今まで寝ていたと思われるベンチから起き上がり、時間を確認すると慌てて屯所へ岐路へつく。

「あいつら…」

夏休み前の打ち上げと称して近藤が提案した飲み会が行われていて、(幕府に夏休みなどはないが)酒を飲んで…そこからの記憶が思い出せない。
しかし、今の自分の状況からして酒に呑まれた俺を置いていったのだろう、確信犯は総悟だとめぼしがついていた。


「ちっ…」


辺りは暗く、出口のない闇の中にいるようだった。早く屯所へ帰ろうとと足を進める。ヒュっと殺気を感じ一歩後ろへ飛ぶ。鈍い光が見えた。いきなり刀が目の前で振り落とされたのだ。


「テメェ、誰だ!?いきなり何しやがる!」


「ククッ、相手してくれんだろ、副長さんよ」

相手の殺気にただのゴロ付きでないと感じ、自分も刀を抜くとそいつに構える。再び向けられる殺気に刀でこたえる。

カキンっと刀と刀の交わる音が当たりに響き渡る。やがて雲が一瞬なくなり、月の明かりでソイツの顔が照らしだされた。


「…高杉晋助、か。」

「ほう、俺を知ってるのか」

「ったりめぇだ、先月だって幕府の要人を10人も殺したのはテメェだろ!」

「ほう」

「調べがついてんだ、おとなしくお縄について貰おうか!」

刀をしっかり持ち一瞬の隙を突いて刀を振り下ろす、カキンと金属の音が再び響き渡り、一つの刀は宙を舞い遠くの地面へ突き刺さった。


「さぁ、おとなしくして貰おうか、副長さん」

「…っ」

地面に手をついてるのは土方で、その土方の首元に刀を突きつけてるのは高杉だ。先ほどの地面に刺さった刀は土方のものだった。




「くっ…さっさと殺せよ、俺は何も吐かないぜ?」



「…誰も殺すとは言ってねぇよ、そうだな、俺を満足させろや。」

高杉は土方の髪を掴み地面に強く叩きつけると、手を紐で痛いくらいに拘束し、その土方の上に馬乗りになった。くいっと顎を持ち上げてニヤリと妖しい笑みを向けると土方が着ていたものを破っていく。


「やめろ!何しやがる!」


「いまさらな質問だな、てめぇは俺に無理やり犯されるんだよ」


「何でこんなことしやがる!さっさと殺せばいいだろ!!」


「俺はなぁ、気持ちよく生きてんだよ。

難しいことはしらねぇ。

バカ騒ぎがしたいだけだ、

殺したい、壊したい、派手なことがしたいだけだ。

それが楽しいんだよ。」


あぁ、こいつは狂っていると土方は思った。その目には獲物をみるような獣の色が見えた。


to be continued..?
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