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□過去の拍手文。『Lの部屋』
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『Lの部屋』
「こんばんわ。」
「どーも。」
「何気にこうやって顔を合わせるのは初めてですねメロ。今日はここになんと言われて来たんですか?」
「何って、Lと適当に30分くらい話してくれって言われたけど?違うのか?」
「違いません。どうぞ座って下さい。」
メロ、Lの向かいのソファにどっかと座る。
「で?これは何だ。」
「当然の質問です。」
どこかの豪邸の一室をきゅっとコンパクトにしたような、輸入物っぽい花柄のソファ、ガラステーブル、ぐるりと見回すとやたらと豪勢な花が高そうな花瓶に刺さって並んでいる。
テーブルには既に手を付けている紅茶と、形ばかりといった感じのグラスに入ったオレンジジュース。
「今日は記念すべき第一回目なので説明が多くなるのは目をつぶって頂くとして、一言で言えば徹子の部屋です。」
「徹子って誰だ。」
「徹子が誰かは重要ではありません。徹子の部屋、という響きでこの場の状況を観覧者の半数以上が理解してくれればそれでいいんです。」
「いや、俺が理解してないだろ。徹子って誰だ。」
「さて始めましょう。時間は限られているんです。ここでは自分の部屋である権限を最大限に使ってゲストを脈絡なく質問攻めにし、の割りに喋ってる時間は明らかに部屋の主であるという印象を与えるのが徹子の毎回の手口です。」
「だから徹子って誰だよ!」
メロが熱くなったのは見事スルーして、Lがパチンと指を弾くと、どこからともなくあの曲が流れる。
「なんだこの曲。」
「大衆に認知されているとは素晴らしいことです。今これに目を通してくださっている大半の方の頭に《あの曲》という表記だけで同じくこの曲が流れているんですから。」
「お前さっきから俺に対して説明が無さ過ぎじゃないか?」
「それが徹子です。」
「なんかもう徹子を撃ち殺したくなってきた。」
「曲も流れたので前置きはこれくらいにして始めましょう。まずどうしてメロは金髪なんですか?」
「本当になんの脈絡も無いな。それになんだそのふざけた質問は。」
「ここで一旦CMです。」
「帰るわ。」
・・・・・・・・それからどんどこしょ。・・・・・・・・
「帰らなかったんですね。」
「知らない女に止められたんだよ。」
「素直に従ったんですか?」
「悪いか?」
「いくら貰ったんですか?」
「・・・」
「悪人面の金髪のくせにそういうところ素直ですよねメロは。」
「誰が悪人面だ。金髪も関係ないだろ。」
「時間が無いので進めます。」
「勝手甚だしいな。」
「好きな食べ物はなんですか?」
「・・・」
色々突っ込みたかったがぐっと堪えるメロ。
「チョコだ。」
「私もチョコは好きです。好きな飲み物は何ですか?」
「・・・」
ぐっと堪えるメロ。
「コーラ。ペプシじゃないやつ。」
「私は炭酸はあまり好きではないですね。刺激のせいで甘味覚が40%減です。おススメのお店は?」
「・・・」
堪えるメロ。
「物欲はあんまり無い。ウィンドウショッピングってのも好きじゃないから気に入った店に時々行くくらいだ。何でも揃う店がいい。チョコが箱買い出来るのが最低条件だな。」
「そうですか。」
「掘り下げろよもっと!」
「なるほど。それが不満だったから聞いても無いことをぺらぺら喋ったんですね今。」
「・・・急に呼ばれて来てみれば俺のこの扱われ方はなんだ」
「では最後の質問になりそうです。好きな女性のタイプは?」
「・・・。徹子みたいじゃない女。」
「ありがとう御座いました。」
「・・・・・。」
END 〜2007・8・11