ノックは要らないよ



気付かない振りしてるね。



振り向かないから大丈夫だよ。



でも約束破ったら



追いかけちゃうかも。









  
◆愚痴 

隣接と疎通を同時に望むのは贅沢なのかもしれない。

元より、経過で疑心を育ててしまう自身では何れにせよ刹那的で確信には届かないのだし。

身体を繋げたところで何一つ明白にならないとは兼ねてからの信仰だ。

全て錯覚なら、覚めない努力をしたいだけだ。

引き留めて傷つくくらいなら。

心細さを飲み込み諦めに似た保身で血を流しても、負わされる傷よりは甘受出来る。

同時に死ぬことも出来ないのに。

どんなに言葉と手を尽くしても足りないと思うのは、可笑しいだろうか。

2012/11/28(Wed) 12:47  コメント(0)

◆りんご 

私のようなちっぽけな存在が保てる自信なんて、所詮やはり誰かに支えられなければ在りはしないものだった。

彼に愛されていた。

それまで如何に除外され続けてきていても、

彼に愛されていた。

それだけで、私は見違えるほどに真っ直ぐ立てていた。

恋情や名残惜しさはもうないけれど、戻りたいとも、もう思わないのだけれど、きっとあの頃の自信を再び手に乗せることはこの先ないのだと、はっきりと思う。

比べていないなんて嘘だった。

それをもはや本質としてしまった今の自分はきっと、これからも彼の愛し方を受け売りし、彼の余韻に自らも溺れ、手が届かず、独りを選んでしまうんだろう。

アダムとイブが羨ましい。

世界に二人きりなら迷うこともないのに。

りんごが齎す知恵が愛情を猜疑することであったならば、なる程、哀れであるはずだ。

2012/10/10(Wed) 13:58  コメント(0)

◆望遠鏡 

君が私にとって最後の人なのか、途中の人なのか、解る術なんてない。

君にとっての初めてが私にはデジャヴだったりする度、情熱はさめざめと。

ただ今はね、本当はね、

君の口から私以外の名前が発音されることすら嫌なの。

近いと思った君が今こんなにも遠い。

近付いたと感じた昨日が砂のようだ。

数字になんて興味はないんだよ。長さが何をしてくれるって言うんだい。

今がないなら、明日なんて来ないじゃないか。

遥か向こうを傍観するその足元が、どうか崩れ落ちないといいね。

2012/09/20(Thu) 04:06  コメント(0)

◆お砂糖 

どうしてそんなに優しくするの?

君から今私に向くその情は私の知ってる名前かな。

甘い

甘くて、むせかえりそう。

その真意に目を凝らす情熱はもう残ってないけれど、ただ一つ、確かなことがあるとすれば、私はその情が如何なるものであっても、対して不感症でなければいけないということだ。

今更と憤慨してみても、素直に名残惜しんでみても、解らず涙しても、それ即ち未練と呼ぶしかない。

感情的になる必要がなくなった存在。それ故の寛容。

甘い

甘くて、むせかえりそう。

そう思いたい。

どうか

そうでありますように。

2012/07/12(Thu) 17:17  コメント(0)

◆記念日 

覚えているかな。忘れているかな。覚えていても忘れていた振りをするかな。

それとも

君にとってはもう記念日ですらないのかもしれないね。

今の心境を率直に言おうか。

私なんて早くしんじゃえばいいのに。

自分では出来なかったから、見かねた神様がそうしてくれればいい。

君の亡霊を追ってばかりの私

即物的な慰めを繰り返す私

もう本当に、本当に、君を取り戻す方法が何一つ思い付かないんだ。

君を救うのが私ではなく時間なら、私は要らないじゃないかい?

なのに

どうして

どうして

あの日胸を抉るほどに味わった後悔が未だに君を最善だと錯覚させる。

機械が反乱を起こさないために埋め込んだチップのように絶対的中枢が未だ君。

愛されていたいだけよ。

必要だと思われたいだけよ。

それを五感で常に感じたいだけ。

その根底がなければ私は人を愛せないんだもの。
君だけだなんて言葉は今更別に欲しくない。

結末が未完成のストーリーなんて読みたくないの。

なにも起こらない記念日なら永遠に来なければいい。

再生するには

一度消えなくちゃいけないものね。

2012/04/16(Mon) 20:07  コメント(0)

◆はっぴーばーすでー 

考えて泣き、思い出して泣き、思い描いて泣く。ただのぬるい水。でもきっと、全部違う色。

刹那的になら、何も疑わずに笑うことは容易いことなんだ。

でもふと立ち戻る。耳の奥で繰り返す絶望の言葉が首を絞める。

私が愛する人は、私を愛していない現実。

もしかして君は二人いるのかな。

こんなに気のあるそぶりをするのに、残酷だね。

HAPPYbirthday

無計画で、行き当たりばったりでね、これからチキンを買いに行くのに、寄り道した店でもチキンを買っちゃうのよ。行く先々で曖昧な貢ぎ物をくれる。なのにケーキはないの。プレゼントも。

バカみたい。ちょっと考えれば上手に出来ることなのに。

誕生日には何が必要かなんて子供でも知ってる。

多分、あの絶望がなければただ苛立って、やりきれなさも手伝って、目も当てられない日になっただろう。

車の外を流れる景色を目で追う振りをしながら泣いた。

気付いて、謝られた声にまた泣いた。

仕方ないんだね。気持ちはどうしようもないんだ。

私が君を好きな気持ち。
それと同じではない君の気持ち。

善悪はない。ただそこにあるだけ。

好きな人の誕生日。見るもの見るもの買ってあげたくなるの。だって特別な日だからね、どんなに買っても足りない気がするんだ。知ってる。

そんな、私も知ってる経験と感情が、今日の君だったのかもと思うと嬉しくて、でも違うかもと思えば空しくて、結局出るのは涙。

ケーキもロウソクもプレゼントもないbirthday。

返したのは紛れもなく愛おしさだった。

報われなくても

確かに

愛おしかった。

これが最後でも

十分に。

2011/10/04(Tue) 02:36  コメント(0)

◆お腹 

いわばこの絶望は3回目だ。

まだ何も考えられないと言われたとき。

前よりあの子が好きだと言われたとき。

そして今、気持ちは未だ戻らないと君は言った。

私は気が短い。これまでも君を急かしたことしかない。

しかしどうだろう。

それでも君は笑うんだよ。

抱き締め口づけ言うんだよ。

私を、私を、好きだよと。

気付いてるさ。君の腹の中にいる君はいつだって私の命を狙っている。

恨み、つらみ、決して許さないと真っ黒な目でじっと私を見ている。

時間が足りないと言うけれど、解るんだ、そいつが腹に居る限り、あと20回生まれ変わったってきっと変わりゃしない。

絶望した。時間の長さに誤差があったからじゃない。

君が私より、その腹の中の自分を愛していたからだ。

君の笑顔が怖いよ。

君の言葉が怖いよ。

この世に信じられるものなんてないってこと、君にだけは、教えられたくなかった。

2011/10/04(Tue) 01:57  コメント(0)

◆怖いもの知らず 

今の私は謂わば無敵だ。

この世に怖いものなんてない。

友人がいる。恋人がいる。遠いけど母がいる。出来ることがある。したいことがある。多くないけどお金もある。失いたくない人やものがたくさん、たくさんある。

でも、ひとりだ。

だからこの世に怖いものなんてない。

友人はいずれ思い出になる。

恋人は日々順調に肺を腐らせている。

母に返せるものはまだない。

出来ることはしなければいけないわけじゃない。

したいことは出来なくても死ぬわけじゃない。

金は紙くずだ。

前触れなく死んだなら、酷く残念ではあるだろう。

しかし死んだ先に残念と感じる思考があるだろうか。

自分の周りの全てを猜疑している今は何も怖くない。死のうが、死なれようが、怖くない。

自分ではないものが好きに動き消えた。それだけ。自分は自分のものだ。好きに使えばいい。

ああ。

恐怖を感じたい。

死を恐れて生きていたい。

私にそれをもたらすのは、いつか腹に宿す子だけなのだろうかと、泣きながら思いを馳せた。

2011/08/26(Fri) 02:42  コメント(0)

◆うさぎ 

また、コレで傷付けたくなる日がくるなんて。

まだ、こっそり流さなきゃいけない涙が残っていたなんて。

忘れられない。忘れてはいけない。多分忘れたいわけではない記憶。

でも思い出すたび何度でも深手を負わすこの記憶を私はどうすればいい。

場所を選ばずこみ上げる嗚咽を私はどうすればいい。

私に何かがとりついているならどうか誰か、取り去って、助けて、ください。

居ても居なくてもいいと聞こえたんだよ。

深く長い溝を感じたんだよ。

くよくよしたくないよ。責めたくないよ。

でも今は君が世界一、残忍で冷徹な男に見えるんだ。

どれだけ寂しいか、死んで証明したいよ。

2011/02/21(Mon) 18:58  コメント(0)

◆保護 

ずっとずっと昔のメールを読み返す。

私の人生で間違いなく一番、胸を痛めていたあの時に、送って、送られて、保護していたメール。

思い出が色褪せないのは素敵なことだ。

そのために日々研究者が頭を悩ませるほどだ。

そうだろう?

でも今、堪えて、落ちて、慌てて隠したコレはそれはそれは口を押さえるほどに酷く痛み、とても、喜べないものだった。

つまり、思い出に成れていない。

まだこの時の私は息をしているんだ。

風化しない感情を残し、隙あらば今の私を引きずり込んでしまう。

ぞっとする。

死ぬまで変わらないかもしれない予感。

保護していたくせにこの記憶は捨ててしまいたい。

でも本当は亡くしてしまうことの方を恐れているのか。

今は、吐き気しか呼ばない。

2011/02/18(Fri) 20:52  コメント(0)

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