紅涙の欠片

□Piece04 噂話とお弁当
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人生は選択の日々なのだと、思わざるを得ない。

例え今選択しても、いずれまた別の選択をしなくてはならないのだから。

そしたら私は………

必ず誰かを、傷つけてしまうことになるんだ。





Piece04 噂話とお弁当





「おはよー」

「「……やっぱり柚稀も来たんだね」」

「…え?」


朝部活をするためにいつも通りに弓道場に行くと、いつもなら部員が沢山いるはずの時間なのに、そこには何故かリンとミナしかいなかった。


「今日の朝部活休みだってさ」

「………あ」


そういえばこの前部長がそんなこと言ってたような……

…ん?ってことは……?


「もしかして……リンとミナも忘れてたの?」

「それを言わないで…」

「まぁいいじゃない。それより知ってる?柚稀」


座って話してたリンが立ち上がり私の方を向いた。


「…何が?」

「隣町の黒曜中にすっごくカッコイイ3人が転校してきたんだって!」


リンが瞳を輝かせながらそう言う。


「隣町の黒曜中に……?名前は?」

「名前?そこまでは知らないよ。噂だもん」

「噂って…それじゃ全然わからないじゃない」

「でもかっこいい3人が転校して来たのは本当らしいよ」

「黒曜中かぁ…知り合いいないし、聞くすべないね」


私がそう言うと、ふたりして「そうなんだよねー」と大きくため息をつきながらそう言う。

私はかっこいい人とかあんまり興味ないからな……


「あ、そういえばさ…柚稀、今日日直じゃなかったっけ?」


ぼんやりとそんなことを考えていると、ミナがふいに私に問い掛けた。


「え…あ、忘れてた……!ごめん、ありがとミナ。それじゃ、私先に行くね」


リンとミナにそう告げると、私は慌てて教室へ向かうために弓道場をあとにした。

だから、私が去った後にふたりの間でこんな会話がなされているとは知るはずもなかった。




「ほら言ったじゃない、鈴音。柚稀はきっとかっこいい人とか興味ないよって」

「えーつまらないなぁ」

「つまらないって……まぁ、柚稀はまわりのことに関しては物凄く鋭いけど自分のこと…特に恋愛に関しては疎いでしね…」

「そうだったね。勿体ないな…柚稀を好意を抱いている人はたくさんいるのに。……主に近くに」

「ふふ、確かにね」

「そういえば、知ってる?あの雲雀さんまでもが柚稀に興味を抱いているらしいよ」

「雲雀って…あの雲雀恭弥?風紀委員長の?」

「そうそう。柚稀も大変な人に好かれちゃってるよねー」

「……ほんとにね」


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