紅涙の欠片
□Piece13 護るべき存在
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信じてるよ、きみの事。
例え何があっても、信じてるよ。
きみが敵になっても、俺は…俺たちは味方だってこと、忘れないでね?
どこにいても、きみは俺たちの護るべき存在なんだ。
Piece13 護るべき存在
《綱吉視点》
「リボーン!」
部屋で獄寺くんと山本と3人で勉強をしていると、血相を抱えたディーノさんがいきなり部屋の扉を開けた。
「ディーノさん…?」
「どうしたんだ?ディーノ」
「アイツらが……アイツらが動き出したんだ!」
ディーノさんがそう言うと、リボーンはピクリと眉を動かした。
「まさかアイツら、柚稀の居場所に気付いたのか?」
「…恐らくそのまさか、だろうな……」
ディーノさんの口から柚稀の名前が出たことにも若干驚いたけど、こんなに焦ってるリボーンを見るのも久しぶりで。
「おい、ツナ!柚稀が今何処にいるか知らねぇか?」
「えっと……」
「柚稀なら部活じゃねぇの?」
「それは本当か?山本」
「あぁ…この前試合が近いって言ってたからな」
それを聞いたリボーンは少し黙ってから……重そうに口を開いた。
「ツナ、獄寺、山本……よく聞け」
リボーンがいつもとは違う雰囲気で言う。
そのことに、俺たちは吃驚しつつも耳を傾けた。
「……恐らく柚稀が誘拐される」
「はぁ!?」
嘘だろ?と言いそうになったけど……この様子、嘘じゃなさそうだ。
「おいディーノ」
「あぁ」
そういうと、ディーノさんが大まかに書かれた地図の所々に赤ペンで丸が書かれたものを俺と獄寺くんと山本に渡した。
「これは?」
「……柚稀を誘拐しようとしているや奴らの隠れ家だ」
「…隠れ家?」
「あぁ……これから学校に行くがもしも最悪の事態のときは……この場所に、柚稀を奪還しにいくぞ」
「ちょっと待ってよ!リボーン……どういうことだよ!?」
「まだわかんねぇのか?ツナ。もしも柚稀が連れ去られてるなら……命の保障はねぇんだぞ?」
「「「!!!」」」
リボーンのその言葉に、俺たちはやっと状況を理解した。
……柚稀の命が狙われてるんだ。
「もしも最悪の状況に陥ってたら俺とツナはここを、獄寺と山本はここを探してくれ」
リボーンはさっきの地図を使い、説明する。
「とにかく、なにがなんでも柚稀を助け出せ!」
「……リボーンさん、もし柚稀が誘拐されてたとしたら……確実にここにいるんですか?」
「…もし奴らの本物のアジトに連れて行かれてたら………アウトだ」
「今部下にアジトを探させてるが…」
ディーノさんが口を噤む。
もしこの話が本当なら…事態は絶望的だ。
「と、とにかくまず学校に行きましょう!」
「そうだな…」
次の瞬間。俺たちは慌てて家を飛び出して学校へ向かった。
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