紅涙の欠片
□Piece15 懐かしの再会
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「…動いたら……咬み殺す」
ギュッと目を瞑った瞬間、誰かに腕を引っ張られた。
そして、目を開けると……目の前には、テトラの首元にトンファーを突きつけてる恭弥の姿があった。
Piece15 懐かしの再会
「恭、弥……」
そして、後ろの方からツナとリボーンちゃんと隼人と武と金髪のお兄さんと黒スーツの男の人何人かこっちに向かって駆けて来た。
……これは目の錯覚じゃないよね?
錯覚じゃないとしたら……どうして?
一体何が起こってるっていうの………?
どうしてみんながここにいるの…?
だって、だって……私は…
「無事か?柚稀」
「ど、して……」
「…お前等、やってくれたな」
リボーンちゃんが彼に睨みをきかす。
「おや、跳ね馬とアルコバレーノとボンゴレ10代目が自らお出ましになるとは…」
テトラが口角をあげて、薄っすらと笑う。
「柚稀は返してもらう」
金髪のお兄さんがそう言うと、テトラはニヤリと笑みを浮かべて、急に笑い出した。
「…何がおかしい」
「まだ気付かないのですか?この状態が自分たちの首を絞めていることに」
彼はそう言い放つと、私たち目掛けて何かを投げた。
勿論、反射的に避けたけど……砂浜に落ちた瞬間、周りが真っ白になった。
「なにこれ……煙幕…?」
辺りは真っ白で何も見えない。
やっとその煙幕が晴れたかと思うと……
「なっ…」
砂浜には、さっきよりも多いのテトラの部下たちが私たちを囲むようにして立っていた。
そして、彼等と私の間には…戦闘体勢の恭弥、リボーンちゃん、(死ぬ気弾を撃たれた)ツナ、隼人、武、そして金髪のお兄さんと、彼の部下らしき人たち。
彼等は私を護るかのように……私を囲んでいた。
「…さて、彼女を渡してもらいましょうか」
「いやだ、と言ったら?」
「それなら力ずくで渡していただきましょう」
「させるか!」
一斉にこっちに目掛けてやってくる敵に、みんなが立ち向かう。
……なんで?どうして?
だって、私は……
「どうして?私は…!私は、ツナたちを裏切ったんだよ…?」
私はか細く呟きながら、その場に座り込んだ。
誰にも聞こえていないかと思っていたけど、小さな手が私を慰めるかのように、ポンと頭の上に置かれた。
「裏切ってなんかねーだろ?」
「…リボーンちゃん……?」
「柚稀は裏切ったんじゃねぇ……護ろうとしたんだろ?」
ニヤリ、と微笑を浮かべるリボーンちゃん。
「…でも、結果的には……」
「結果も何もねぇ。柚稀は……」
リボーンちゃんがそう言いかけた瞬間。
敵が私たち目掛けて刀を振り下ろした。
「!!」
一瞬ダメかと思って目を瞑ったけど……あっさりとリボーンちゃんが返り討ちにしてしまった。
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