紅涙の欠片
□Picec21 目の前の真実
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「……ここまでですよ」
「ふふ、あっまーい!」
「……え?」
「……舞風」
ゴォォォォと辺りを舞う風が、少年の炎を消した。
「なっ」
それを見計らって彼に武器を突きつける少女。
「私の勝ち、だね」
ニッコリと笑う少女を目の前に、少年はもう自分に勝ち目がないと悟ったのか……武器である刃のついたブーメランを力なく退けた。
Picec21 目の前の真実
「柚稀の勝ちね。だから…明日から5日間かしら?」
「わーい!ありがと、オレガノ。じゃあ約束通りこの後書類の片付けも手伝ってね?バジル」
「わかりました。全く……柚稀には敵いません」
はぁ、と大きく溜息をつくバジル。
それに苦笑するオレガノ。
力いっぱい喜ぶ私。
そんな私の頭を、思いきり誰かが叩いた。
「痛…っ、ちょ、だ「引き続き修行するぞ」
相変わらず長いショットガンを両手で構えながら、ラルがそう言い放った。
「えーちょっと休憩させてよーラル。今ので殆ど力、使い果たしたんだってば」
「……じゃあ5分な」
「5分!?短っ」
ディーノ兄の紹介で、この門外顧問チームにお世話になってから早4ヶ月。
主にスパルタなラルに修行をつけてもらいながら、3ヶ月ほど前から情報屋の仕事もしてる。
最初の1ヶ月くらいは主に家光さん、バジル、オレガノたちに戦闘面と情報屋としての伊呂波を一から叩き込まれた。
1ヶ月を過ぎた頃から昔の感覚が戻ってきて、任務だってこなせるようになった。
そこからは殆どラルにつきっきりで技を磨いてもらいながら、あらゆる修行をつけてもらった。
お陰で……かはわからないけど一部では風舞姫≠ェ舞い戻ってきた、という噂もたってるらしい。
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