紅涙の欠片

□Picec23 仲間の行く末
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「う、そ…でしょ?」

目の前の情景が信じられなくて……一度、目を瞑る。

だけど目を開けても瞳に飛び込んで来たのは何一つ変わらない情景で……

認めたくないと思いながらも、心のどこかでこれから起こる状況をわかっている私がいた。





Picec23 仲間の行く末





「……復讐者(ヴィンディチェ)………」

「早ぇおでましだな」

「ヴィンディチェ?なぁ、リボーン!誰なんだ?」

「…マフィア界の掟の番人で、法で裁けない奴らを裁くんだ」


リボーンちゃんがそうツナに説明する。


「骸…千種…犬……やだよ!行かないで!」


ギュッと…目の前の骸を抱きしめた。

行かないで≠ニいうように。


「……すみません、柚稀。お願いですから……泣かないでください」

「む、くろ……」


骸が、薄っすらと目頭に浮かんだ涙を拭う。

こんな状況でも……やっぱり骸は変わらない。

私の知っている骸、だ。


「Arrivederci………Ti amo 柚稀」


骸がそう呟いた瞬間、骸の体が私の手から離れ……宙に浮いた。


「ちょっ…何してるんですか!?」

「やめとけ、ツナ」


そう叫んだツナにリボーンちゃん言い放った。

そして、骸と千種と犬は復讐者と共に……消え去ってしまった。


「くろ……骸ーっ!ち、くさ……けん……っ」


私は、復讐者が消えて行った方を向いて……思い切り叫んだ。

瞳からは涙が溢れる。


「……リボーン」

「…奴等に逆らうと厄介だ……放っておけ」

「お前がそこまで……そんなにヤバイの………?」

「俺が言うほどヤバくねぇなら柚稀が黙ってアイツらが連れていかれるのを見ているわけねぇだろ?」

「……あの3人、どうなっちゃうの?」

「罪を裁かれ、罰を受けるだろうな」

「ば……罰って……?」

「さーな。だが、軽くはねーぞ。俺たちの世界は甘くねーからな」


ツナにそう言うと、リボーンちゃんは私の傍までやってきて……私の目を覗き込むようにして呟いた。


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