もしも作品

□WORST 梅星一家の華
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下らない

何がって…



全てが。











  「生意気」

     「クソガキ」
「女のくせに」    .
   「やっちゃう?」 「やるやる!」

「馬鹿じゃねーの?」

         「死ね」
 「殺すよ」  「関係ねーだろ」


「テメーなんざ、ぜってぇ認めねえ!!」











下らない

全てが 下らない



人も

世界も

世間も

全部、全部、全部



失くしてしまいたい





けど、そんなの
叶わない願いだと分かってるから

だから、せめて
私は「私らしく」生きていく



それが、他人と壁を作る事になっても

それが、世間に認めてもらえなくても

それが、人によれば下らない事でも…



それが「私」の自己防衛
















昔から、人に合わせる事が嫌いだった。

人の輪なんて気色悪い。
流れに乗るなんて面倒臭い。
他人と同じ行動を取るなんて有りえない。

そんな私が、一人になるのは簡単だった。

家族とも離れ。
友なんて呼べる者も居なく。
家でも外でも、何処でも一人で居た。

私にとって、好ましい環境だった。

必要以上、人との接触がなくなった。
気を使う事も、顔色を伺う事もない。
とても居心地が良いと思った。

けど他人から見れば、私は異常。

可笑しな子供と一線引かれ、
疎まれ、
嫉まれ、
恐怖され、

気付けば、私は高い所に居た。



「あの女が、──中の頭の…」

「なんで只の女が?」

「バッカ! お前殺されるぞ、」



下らない囁きが、聞こえぬ日はなかった。
背中に感じる無数の視線は、鬱陶しい。
後ろ指さされるのは、もう慣れた。

この現状に、何故? なんて愚問はない。

全ては私が招いた事態。
けど、悲観なんてない。
私が「私らしく」した結果だから。





ガキの世界では、私は目障りだったらしい

好きで一人で居る姿が生意気と取られ、
気付けば周りは敵だらけ。
最初に眼を付けて来たのは、女の先輩。

ピアスを開け、
髪を染め、
化粧をし、
誰ともつるまない私は、只の生意気な奴らしい。

女の高学年は、ただ気が強い。
やれ「私の彼氏は〜の、」
やれ「私は喧嘩の経験者」
やれ「私が此処を仕切ってる」
お前は口喧嘩しに来たのか、と思われても仕方ない程、まあ口が動く動く。
面倒臭かったから、呼び出してきた奴ら全員ボコボコにしたら…

次の日には、そいつ等の彼氏が出てきた。

男の高学年は、ただ血の気が多い。
やれ「テメェ絞めるぞ」
やれ「女のくせに、」
やれ「落とし前つけろ」
お前等もか、と思われても仕方ない程、まぁよく吠えた吠えた。
五月蝿かったから、出てきた奴ら全員ボコボコにしたら…

次の日には、私が此処の頭になってた。





興味がないし、そもそも下らない。

ただ喧嘩して、
全員のして、
それで終わっときゃいいのに…

嗚呼、下らない。

次々と学校に来る、野次馬も。
次々とくる、名も知らぬ猛者モドキも。
次々と媚を売ってくる、ウゼェ男共も。

嗚呼、全てが下らない。

中学で頭はるのが、そんなに豪いのか?
喧嘩が強かったら、そんなに偉いのか?
下らない、
下らない、
下らない、

嗚呼、もう…



ヤんなるなぁ。





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