愛楯【短編】
□【ラブコンプレックス】
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─────ピッ…
鐘が鳴り止む。
《偽り》ナシの囁きに
隣の《肉塊》が、震えてる。
それは怒りか?
憎しみか?
恥じらいか?
「ねェ…どうゆう事?」
「……」
「誰よ今の相手ッ!!!」
下らねェ
「俺の女」
「ッ馬鹿にしてるの!!?」
下らねェ
「元から、テメーなんざ眼中にねェよ」
「ッッッ!!!」
─────…パシッ
振り上がった掌を、難なく掴み取る。
《肉塊》の顔に、驚きと恐怖が浮ぶ。
「……」
「…ぁ…っ」
「…身の程知らねェカスが」
「ッあ゛ぁ゛ァァアアア───!!!?」
耳から脳へと染み渡る雄叫び。
──悲鳴
醜くも、求めていた歪む顔。
──苦痛
赤から青に変色する手首。
──骨折
部分的に紅が滴る肌。
──火傷
ただの《肉塊》は
俺の欲求を処理してくれる。
性欲
破壊欲
満たされたぜ?
───似非カス シンデレラ
「最高だぜ、お前」
「あッ、ァァア ア ア」
「ホントだぜ、マジ」
「ウッあ…アァアアァァ」
「アイツじゃ、俺を
此処まで満たせらんねーからなァ…」
未だ泣き続ける《肉塊》を捨て
俺は足を速める。
会いたくて堪らねェ、アイツの所へ……
【ラブコンプレックス】
───与える事しか出来ねェ…
お前から、何かを得るなんざ
考えた事もねェ
お前を、傷付けるくれぇなら
なにも、いらねェ……───
【あとがき】
阿含シリアス夢、前編?
多分続き書くと思います。