愛楯【短編】

□【ラブコンプレックス】
2ページ/2ページ




─────ピッ…















鐘が鳴り止む。

《偽り》ナシの囁きに
隣の《肉塊》が、震えてる。





それは怒りか?

憎しみか?

恥じらいか?




















「ねェ…どうゆう事?」

「……」

「誰よ今の相手ッ!!!」










下らねェ










「俺の女」

「ッ馬鹿にしてるの!!?」










下らねェ










「元から、テメーなんざ眼中にねェよ」

「ッッッ!!!」



─────…パシッ



振り上がった掌を、難なく掴み取る。
《肉塊》の顔に、驚きと恐怖が浮ぶ。










「……」

「…ぁ…っ」

「…身の程知らねェカスが」















「ッあ゛ぁ゛ァァアアア───!!!?」

耳から脳へと染み渡る雄叫び。
──悲鳴
醜くも、求めていた歪む顔。
──苦痛
赤から青に変色する手首。
──骨折
部分的に紅が滴る肌。
──火傷










ただの《肉塊》
俺の欲求を処理してくれる。

性欲

破壊欲




















満たされたぜ?
───似非カス シンデレラ










「最高だぜ、お前」

「あッ、ァァア ア ア」

「ホントだぜ、マジ」

「ウッあ…アァアアァァ」




















「アイツじゃ、俺を
此処まで満たせらんねーからなァ…」




















未だ泣き続ける《肉塊》を捨て

俺は足を速める。

会いたくて堪らねェ、アイツの所へ……














【ラブコンプレックス】



───与える事しか出来ねェ…

お前から、何かを得るなんざ
考えた事もねェ

お前を、傷付けるくれぇなら

なにも、いらねェ……───




【あとがき】
阿含シリアス夢、前編?
多分続き書くと思います。

前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ