愛楯【短編】

□【カウントダウン】
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「………」


『……ねェ』


「…あ"?」


『…阿含は何お願いすんの?』


「今年こそテメーが死にますように」


『私等の間に愛はあるのかしら?』


「………」


『………』


「……テメーは?」


『教えない。』


「あ"ァ"!!?」


『だって言ったら叶わないじゃんか』


「バカか。言っても言わなくても
叶わねーモンは叶わねーんだよ。」


『ンな身も蓋もない…』


「蓋した所で、一ヶ月後には風化してんだろ、テメーの場合。」


『忘れないもん』


「だから心優しい俺様が覚えてやってやろうとしてんだろォが、言え。」


『……………』


「……ンだよ」


『………』


「………」


『…今年こそ、』


「………」


『阿含が…』


「……?」


『…私だけ…見てくれますよォに』


「……………」










「バカか」

『………』

「…あ"−、やっぱ馬鹿だテメェは」

『………』

「………」

『………』

「………」

『………』

「…俺が、此処に居る時点で気付けや」

『……?』




















「テメーだから、だっての」




















【カウントダウン】



───他の女だったら、来る訳ねーだろ
こんな面倒くせぇ事…

こんな長い間
“俺が”我慢出来る訳ねーだろ。

いい加減、気付やカス。





年明け3秒前。
賽銭さえ投げ込んでない私は
誰よりも早く、願いが叶ってしまった。

あぁ…もうすぐ鐘が鳴る…

新年
私の日常は
どう、変わるのかな…?











【あとがき】
新年明けて、早3週目に入るって時に
アップな《あけおめ夢》
……カスな私。


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