愛楯【短編】
□忘れ物
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【教室にて】
「─────何してんの、お前?」
『あ、妖一』
「帰ったんじゃなかったのかよ」
『やー忘れ物をね、してしまいまして』
「で、何してんだ?」
『や、だから忘れ物を、』
「机ごと引っくり返す意味がどこにある?」
『だってドコにもないんだよー!』
「いいから元に戻せ。」
『ちぇ。』
「何忘れたんだ?」
『もろもろ。』
「幅広いわ。」
『別にイイでしょー何だってー』
「大方携帯か筆記用具だろ。」
『違いますゥー』
「じゃあ何だよ。」
『何だってイイでしょ!』
「何でキレんだよ!」
『妖一がしつこいから!』
「お前がさっさと言えば済む話だろ!」
『何で一々私が忘れた物を言わなきゃならないの!』
「何でそんな言う事に嫌がってんだよ。」
『………イイでしょー』
「…ほっほォ〜」
『なッ、なに?』
「別に。じゃあ俺も一緒に探してやるよ」
『はぃ!?い、いいいいいイイ!!』
「俺様のご好意を無碍にする気かァ?」
『ぅ………い、いいから!!ホントいいから!悪いからァ!!』
「そう謙虚になるな。明日雨降るぞ。」
『どういう意味だー!!!』
「……あ?何だコレ」
『え……ッ!!!!』
「消しゴムか?…うおッ!?」
『あああああ、私の!コレ、今日、落として、あァ〜見つかってよかったアァ!!』
「…それが忘れ物か?」
『へ!?ち、違うよー!こんなチッサイ物なんか探すわけないじゃん!!』
「………ケケケッ」
『きゃあァァァ!!?かか、返してェ!』
「さァて、このチッサイ物に一体なにが隠されてるのかなァ?」
『イヤァァァアア!!やめッ』
「…………………は、」
『よ…妖一の、馬鹿アァァァァアア!!』
「あッ、おい!!」
ベタに隠されてたのは赤い字で書かれたハートと名前
可愛いトコ、あんじゃねーか。
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