愛楯【短編】
□忘れ物
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【部室にて】
『モンジー』
「!!び、ビックリさせんな馬鹿!」
『普通に入ってきただけじゃん、このチキンが。』
「あ゛ァ!!?」
『それよりさー、私の携帯しらない?』
「!……や、知らねぇ」
『そう。もードコに置いたかなァ?』
「…な、なくしたのか?」
『いやー部室に置いといた筈なんだけどさァ』
「そ、うか…」
『どうしよう…夕方から連絡入る予定なのに』
「ダチか?」
『うん、ルイルイから。』
「ハァ!?ルイって…葉柱からか!?」
『他に居たっけ?ルイルイって』
「居たら気持ち悪ィけど…じゃねえよ!!
何で葉柱と連絡とってんだ!!」
『怒んないでよー、ちゃんとモンジだけ愛してるぜ?』
「ッそ、うか…じゃなくてェ!!!」
『もー!何がそんなに不満なの?』
「全てだ!同じ学校のヤツだけでも腹立つのに、何で他校のヤツと…!!」
『あらあら、その重さが心地良いァ』
「Mか!!」
『Sだ。ドが付く過剰さはモンジが一番知ってるでしょうに。』
「あァ、心身ともにな!!」
『でさ。私の携帯どこにあると思う?』
「いきなり話変えんな!!しかも逸らすな!!知らねーよ、テメェの携帯なんざ!」
『もードコにやったかなァ?』
「シカトかっ!!」
『完全なる無視と言いたまえムッシュ』
「誰だよ!!!」
どうかポケットの中身が鳴りませんように!
何気に開いた携帯の待ち受けが自分の写メとか、嬉しいだろ?
これ以上、俺を振り回すなよ!