オール短編@

□俺はお兄ちゃん!
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俺はお兄ちゃん!〜流川編〜




















「………」

「………」

「………」

「………」

「………」

「………」





『……くぴー』





ど…どうしよう

酷く混乱していたのは湘北レギュラー、赤木、小暮、三井、宮城、彩子、桜木。
バスケ部更衣室の前。
扉を開け放ったまま微動に出来ず、声も出せずに固まっていた。

話の冒頭は数十分前まで さかのぼる。

朝練を終えたバスケ部レギュラー達。
本日はレギュラーのみの強化練習と珍しい、かつ贔屓的な地獄の特訓を終えた面々。
汗だくになった服を着替えるべく、更衣室に向かうまでがいつも通りだった。
騒がしく、そこまでの道を進む。
喧しいと赤木の喝が入ると同時に、彩子は更衣室の扉を開け…

何故かその姿で足を止めて固まり。
当然彼女の後ろを歩いていた面々は、疑問を抱いた。



「どうした、彩子?」

「・・・・・。」

「アヤちゃん?」
「おい何やってんだ?早く入れよ」
「彩子さん、どいて下さいよー」

口々に疑問と不満を放つ彼等。
すると漸く動きを見せた彩子だったが、その動作はぎこちない。
サビ付いたロボットの如く、ぎぎぎ…と首を後ろに向け、引き攣った表情で口を開いた。





「ね、ねえ…私目が可笑しいのかしら?」

「あ?何言ってんだ?」


早く入れよと眉間を寄せて顔面で語る三井は、彩子が指差した方向をチラ見。
同様に他の者も、その方へ視線を移し…

目を見開く。










『くぴー…ぷひー…』










・・・・・・・え?



人は驚きが過ぎると、ホントに頭の中が真っ白になるようだ。
見事に白くなった思考。
その中にデカデカと浮かび上がる「え?」の疑問符。

彼等の目に、ありえない光景が入り込む。

更衣室内に置かれたベンチ。
その上に横たわり、寝息を立てていたのは
……推定年齢4〜5才だろう、幼女の姿。

彼等は揃って目を擦る。
あァ、俺達きっと疲れてんだよ。そうそう幻覚だって。コレはナイナイ。
その思い一心で擦る擦る擦る擦る…
だが残念。何度見たってそこには幼女。



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