オール短編@

□最遊記外伝C
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─────目に見えぬ盲目な モノ



捕らえられるモノだけが、全てではない

感じろ
悟れ
そして逃すな。





純粋な魂

邪悪な思想

歓喜の想い

憂いの眼差し



さぁ、探れ
そして見定めて





もう既に 時は動き出している……───































【金禪side】



───時々、強い不安を抱く事がある。

目に見えぬ所で広がる 不況な蠢き
それに関与している 知人の動き

孔雀…貴女は、
全てを知っているのですか…?















『…相変わらずの暴れっぷりみたいだな』



床に散らばる猿の私物。
それらを見つめ、孔雀は含み笑いに呟いた。

目の前に広がる惨状は、兎に角酷いもの。
俺からしたらゴミと同等な物でも、あの猿にとったら宝物も同じ。
ヘタに手を出せば奴の逆鱗に触れ…
やられた仕業の何倍もの復讐を仕出かしてくれる。

それを既に体感した俺は、最早片付けをするという選択は捨て去った。

もう、どうにでもなれ。







『随分と憔悴してるようだな』

「当たり前だ…
こんな状態を四六時中味わってんだぞ」

『良い経験じゃないか、パパは辛いなァ』

「〜〜〜!!!
…このままじゃ仕事もろくに捗らん。
貴女の方から、あのババアに口添えしてほしいモノだな。」

『仕事量を減らしてほしいっと?
悪いが断る。』

「そのくらいの譲歩があっても罰は当たらんと思うが?」



『貴様だって、もう子供じゃないんだ。
自分の仕事は自分でどうにかするんだな。

孔雀明王の身として、金禪童子ただ一人を贔屓する訳にはいかない。

公私を混同しない事だな。』



「…手厳しいな」



彼女の思想、そして考えは昔から何一つ変わらない。
それは俺が幼き頃から、ずっと…
嘗て、俺に読み書きを教え
モノを教え、この天上界を教えてくれた時と…何一つ。

時に厳しく
時に優しく
そして暖かく

その気高い魂は、今でも色褪せる事無く、俺の前に存在している。



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