オール短編@

□最遊記外伝C
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『…お前、子供好きだったんだな』

「天界西方軍元帥の軍事オタクがか?ありえんな」

嫌味を含み、鼻で笑う。
すると奴は意味深げな笑みを浮かべた。





「…僕も貴女の生き生きとした表情、彼女の前以外で初めて見ましたよ。」

「!なにを…」

「悟空…ですか、良い名ですね」

『“空”目には見えぬ物を「悟る」ことの出来る者……か。』

「貴方にしてはセンスが良いですよね」

「……うるせぇ…!」





「なァなァ孔雀姉ちゃん!オリガミのおり方おしえて?」





『クス…ご指名だ』


小さく笑い、悟空のもとへ向かう孔雀。
銀髪を靡(なび)かせた後姿は、どこか柔らかい雰囲気を纏い
いつもの凛とした彼女ではなく。
そこに居るのは、悟空の母親のような女性。

目を細め、彼女の銀燭を眩しく見つめた。










「…くす…相変わらず、ですね」





「!何がだ?」

「いえ……
彼女、孔雀さんが上層部の者だというのが
今更ながらに信じられないんですよ。」

「…あの人は上の事について、あまり関与しないからな。
まず匂いからして違う…思想もな。」

「それじゃ、他の上層部の方々が臭いみたいに聞こえますねェ」





「はぐらかすなよ
態々自分とこの大将に好き勝手やらせてる奴が…」





交わる視線の奥に潜む、作意。

天蓬は目を細めた後
諦めた風に溜息をつき、口を開いた。





「…孔雀さんの入れ知恵ですか?」

「そうじゃなくとも、捲簾大将の噂は此方まで聞こえてくる。
軍の上層部にも大分煙たがられているみたいだな…
─────お前、何を考えている?」










「…なにも」










『お前等、子供の前で険しい顔をするな。
あと辛気臭い。
換気しろ、換気。』

「………貴女という人は…」

「あはは、
孔雀さんはある意味KYですねェ」

『“気が利く”“愉快犯”か?
よく知ってるなぁ』

「…まぁ…合ってるっちゃー合ってるな」



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