オール短編@

□俺の姉ちゃん!
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俺のお姉ちゃん!〜宮城編〜




























最近、俺の周りで実はシスコンです!な野郎が増え始めている。





兄と反比例しまくっている
ひ弱でチビっこくて守ってあげたくなる
花道の妹ちゃん。

逆に、兄とどこか似ていて
気が強くエロ可愛いヤンキーっ子
三井さんの妹ちゃん。

そして一部分のみ兄と似ている
寝るコトとバスケが大好きな幼稚園児
流川の妹ちゃん。





どの子もイイ娘で、可愛くて魅力的。
そして兄はダブルでシスコン。
まぁ、あれだけ可愛い妹が居れば仕方がない。
多少の過保護も目を逸らせる。
寧ろ、妹ってイイな〜とも思っている今日この頃。










さて…

このシスコン浮上Dayを目の当たりにした俺の心境。

実は密かにビク付いています。















『どうしたの、リョータ?』





「!?ね、姉ちゃん…」

『眉間にシワ、寄ってるよ?』

「あ、うん…」



指摘された箇所を指先で解すと、目の前の姉ちゃんはフンワリと苦笑った。
つられて俺の頬も緩む。



『今日のご飯、何がいい?
今から買い物に行くんだけど…』

「あ、なら俺も、」



一緒に行くと告げようとした口は、脳裏を掠ったシスコンという文字の所為で閉じてしまった。
突然言葉を詰まらせた俺を不思議がる姉ちゃん。首を傾げる姿が何ともカワイイ。



「………煮物…食べたい」

『ん、了解。じゃあ行ってくるねー』



言葉の繋がりがなくても、不審がる事なく笑顔を浮かべた姉ちゃん。
財布を片手に軽快に玄関へ向かっていった。

その後姿を見つめ…どっと溜め息。

リビングのソファに身を埋めた。





(チクショー…俺の意気地なし)





頭を埋めるシスコンの文字。
その隙間から顔を覗かせるのは…忌まわしい我が湘北問題児メンバーの数々。
想像上とはいえ、嫌味ったらしい笑みを浮かべながら「やーい、シスコン」と罵ってくる花道には全力でパンチをくれてやる。
勿論これも想像で。

最早、妄想と化してきたこの思考。
死活問題だ…まさか自宅でも顔に出てしまう程の不安度だもんなァ。

これまで、湘北問題児3人のシスコンぶりを目の当たりにしてきた。
そして俺は全員に言ってしまっていた。
シスコン、シスコンっと…
脳内の奴等の如く…
嫌味ったらしく…





(俺もシスコンじゃねーか…!!)





今に思えば、何であんな心無いことを言ってしまってたのか。
自分に置き換えていれば、あんな事は言わなかった。絶対に。

俺は姉ちゃんが好きだ。
勿論それは姉として。
心から認めます。
俺はシスコンです。

だが、それを他の者に知られる訳にはいかない。特にあの3人には。
今までさんざ馬鹿にしてきただけに、どんな仕打ちをされるか…
考えただけで胃に穴が開く。
頑張ればゲロだって出せる。

だから…あまり安易に姉と一緒に出かける訳にはいかないのだ。
それが買い物だろうと。
今まで一緒に行っていた買い物だろうと。
結構楽しみにしていた買い物だろうと…





(い…行きたかったッ)





今になって後悔しても遅い。
だがココは我慢だ、宮城リョータ。
どっか遠出なら兎も角、近場でお出かけは危険過ぎる。
いつ奴等に目撃されるか知れたもんじゃねぇ。

そうだ。せめて卒業するまでは…
奴等と顔を合わせなくなるまでは我慢だ。
それまで、何としても姉の存在は秘密にしとかないと…!

頑張れリョータ。
例え姉ちゃんが結婚してこの家を離れる時が来ても我慢だ。
それくらいの強い我慢がなければ堪えられない。





(てか結婚なんて認めねーけどな)





どこぞの馬の尻の毛が来ようとも、姉ちゃんは渡せねぇ。
俺の跳び蹴りが唸るぜ。



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