*学園*
□始まりはいつも。
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「お前さ、なんでできないの?」
志歩に数学のノートを見せてやりながら問う。 基本的には変わらないはずなのに、俺にできてコイツに出来ないというのはどうしてなのだろう。
「忘れる。」
「・・・・・・・・・。」
おーい、だれかコイツに良い病院紹介してやってくれー。
「なんでだよ。」
「忘れたいから。」
誰でも良い。 今すぐ良い病院教えてくれ。
「出来ない訳じゃないからいいでしょ?」
出来るならやれ、というツッコミを喉の奥で押しとどめる。 そのまま続くと止まらなくなるからな・・・。
HR前のざわめきの中、俺は下駄箱に入っていた手紙を開いて見る。
「何? らぶれたー?」
志歩の頭を軽く叩いて読み始める。
手紙にはこう書かれていた。
『月森君へ
お話があります。
昼休みに、生徒会室へ来てください。
桜井小春』
嫌な予感がする・・・・。
教室が静まり返って、担任が教室に入ってきた。