小説

□鈍感な君へ
1ページ/1ページ






「あずにゃぁ〜ん、私の事嫌いになっちゃったの?」





「はい?」





突然後ろから抱きついてきた私の恋人唯先輩は耳元でそう囁いた。




何の冗談だ、と思いながらひっついて暑苦しい先輩を引き剥がそうとしたが、表情は真剣そのもので。





「…どうしたんですか先輩?」




「だって…あずにゃん最近冷たいもん」




「そん事ないですよ?」




「じゃあ何でキス嫌がるの?」




「そ、…それは…///」




「やっぱり私の事嫌いなんだぁあっ」




うぇーん、と大袈裟に泣き叫ぶ先輩に軽く苛立ちが芽生える。




ほんと、鈍感なんだから………。




私の肩に顔を乗っけてる先輩に、思い切って頬に口付けてやった。




案の定、先輩はみるみるうちに顔を真っ赤にさせて私から少し距離をとる。




「あ、ああああず…あずにゃ…っ////」




「ここまでしないとわからないって馬鹿ですか先輩ッ!!///」




「え、え…?」




「私が先輩を…嫌うわけないじゃないですか…っ。告白したのも私からだし……」




「あ、あずにゃぁあん…っ」




今度は正面からギュッと抱き締められ少し苦しい、が幸せ。




そんな事を思ってしまう私は本当重症者なんだと思う。




「あずにゃん、あずにゃん!もっかいちゅー」




「ち、調子に乗らないで下さいっ!!」















 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ