小説

□犬と猫の関係
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「白井さん!なんですかこの始末書の山は!!」




「わかってますわよ、後で片付けるつもりですの」




「後でじゃなくて今して下さい!」



「あちゃー……また喧嘩してるよ…」




佐天涙子は目の前の現状に深いため息をついた。




このところ支部に遊びに行くと、必ずと言っていいほど白井と初春が喧嘩してる。




正直そんな場面はもう飽き飽きし。



そんな佐天とは真逆に、先輩である御坂美琴はクスクスと楽しそうに笑っていた。




「ふふっ、本当黒子と初春さんは仲良しよね」




「えー、私はとてもそうには見えませんけど…」




「なんかさ、犬と猫って感じしない?」



「犬と…猫ですか…?」




「うん。犬と猫って顔あわしたら喧嘩してるじゃん?」




「まぁ確かに」




「でもさ、本当はすごく仲良しだと思うの。今だってほら、見てよあの二人」




御坂がケラケラ笑いながら指さしたのは、先ほど口論をしていた白井と初春の二人。




だが、先ほどのピリピリした空気とはまた別物で、




「…まぁ、始末書の数ほど白井さんの頑張りが伝わってきますけど」




「でしょう?ですが初春がバックアップを担当してくれてこそ、わたくしの力を発揮できるんですけどね」




「またまたぁっ、白井さんったら調子のいい事言ってくれますねぇ!」




いつの間にやら和んだ空気に。



正直仲直りのはやさに佐天は驚きを隠せない。




「喧嘩してもすぐに仲直りできる。これって素敵な事だと思わない?」




「……です、ねぇ…」




佐天は少し、ほんの少しだけ白井と初春の関係を羨ましく思った。





「ところで初春。美味しそうに口に含んでるプリンは何ですの?」




「なんのことれふか?」




「口のまわりに食べかすつけながらとぼけるんですの…?」




「ひゃあぁっ、ごめんなさいっ!だからお花散らさないでぇえ」






前言撤回。
やはり私にはこの関係は少し受け入れがたいかも。





















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