小説

□うさぎの心
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「お帰りなさいですのお姉さまぁああんっ!」



黒子はうさぎだ。



寂しがり屋で私が帰ってくるなり過激なスキンシップをかわしてくる。



構ってやらないと死んでしまう。
まさにそんな感じ。



だけど、いざことに進もうとして私から近づくと



「ひっ…ぅ…」



怖がって身を縮ませる。



それが無性に可愛くなってお構いなしに黒子を攻める。



そんな私はうさぎを食らう狼。



身を震わせるうさぎの首に唇をあてがい、ちゅぅ とわざとらしい音をたてた。




綺麗にできた淡い色のキスマークに自己満足しつつ、今度は唇との接触をしようと試みたが、




「だ、だめですのっ!」



私の腕に包み込まれてた黒子がいつの間にか少し離れた所に移動していた。



空間移動って本当面倒な能力よね。



「ベ、ベーゼは、ま…まだその…心の準備がですね…」



「…ふぅん」



いくら狼の私でも心底嫌がる黒子を押さえつけてまでキスをかわしたいなんて思わない。




向こうがその気になるまで待とう。
私は自分に誓った。





そう、ずっと




辛抱ならない時もあったけど

黒子に嫌われたくないから。




我慢してたのに









なのに…











「おっ…おねさ…っ、は…ヒクッ、黒子にキ、キスさえ…したくなく、グス…なったです、か?」




「……は…?」




















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