小説
□うさぎの心
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え、何、泣かれた。
私のが泣きたいんだけど何これ
「つ、付き合って…数ヶ月も、グス…たちま、すのに…っぜ、全然キスする気配もな…い…っ」
だってあんたが嫌がったから。
「それに、…黒子にスキン…シップ、とっ…とってくれな…ウゥッ」
だってあんたが怖がるから。
「手さえも…繋いでくれない…っ」
だってあんたが人目を気にするから。
「お姉さまは黒子の事…き、嫌いなんですの…?」
プチン
私の中の何かが短い音をたてて壊れた。
キスしてくれない?スキンシップがない?嫌い?
ふざけんじゃないわよ。
私がどれだけ我慢し………
「ふっ、ふふ…ふふふふふ…」
「お、おね…さま?」
「そっか、そうだったのね…初めから我慢なんてらしくない事しなくて良かったのよ」
「えと…何の事かさっぱり…」
「私は狼。遠慮する事なかったってわけね」
完全に理性を失った私は身に任せて黒子を押し倒した。
「ひゃっ!?な、なにを…」
「んふ、可愛い…さぁて黒子…覚悟はできた?」
時間ならたっぷりあるからね。
うさぎの心