小説

□幽霊
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「きゃぁーーっ!!?」



それはとある夜の事だった。



風呂上がり、いつものように自分のベッドで読書を楽しんでいた所突然隣にいた黒子が叫び声をあげた。



「どっ、どうしたの黒子!?」



「いいい今っ、幽霊がっ…追いかけ…」




「はぁ?何言って……あぁなるほど…」



カタカタと震える手には、画面にでかでかとbadendとかかれたゲーム機の姿が。



またか、と美琴は肩をおとした。
最近黒子はホラーゲームにハマってるらしくヘタレ卒業のためにも挑戦しているみたい。



毎晩毎晩夜遅くまでよくやるわ。



「子供か全く…。じゃぁ私寝るから。どいたどいた」




「えっ、寝ちゃうんですの…?」




「時計見てみ、もう遅いでしょ」




「…うぅ…」



しぶしぶながらも自分のベッドに戻った黒子は身を縮め布団の中に潜り込んだ。



先ほどのゲームのおかげで眠気なんて一切あるはずもなく。



頭の中には時計の音だけが響き渡ってくると思いきや、突然ガタンと窓が激しい音をたてびびってしまう。



「あ、ぅ…おね、お姉様…」



「んー?」



「まだ…起きられていますの…?」



「睡魔がきたからもうちょっとで寝れるかな。あんたも早く寝なさいよ」



「……は…い…」




「?」




あまりにも元気のない返事に違和感を感じ、そう遠くもない黒子のベッドへ目をやった。




見るとそこには布団にくるまり顔はよく見えないが、風で窓が音をたてるたびに体を強ばらせているのがわかった。



全く…世話のやける後輩だ。



「ほら、こっちきなさい」



「…へ?」



上半身だけを起こして、ぽんぽんと右隣を叩いて招き寄せる。



が、黒子は理解できない様子で。



これだからにぶちんは…



「だから、寝てやるってんの一緒に」



「え、…っ!?おね、お姉様の…ベベベベッドで!!!!?」



「何よ、不満なわけ?」



「い、いえ!決してそういうわけでは…」



「ならさっさと来なさい」



「う…っ、はい…」



恐る恐る美琴のベッドに近づいたものの、ヘタレな黒子はその一歩先がどうしても進めない。



「………ほんと、消極的」



もたもたしてる黒子にじれったくなってしまい、気がつくと強引に手を引っ張ってベッドの中に倒れこませた。



「黒子冷たい。もっとこっちおいで。あっためてあげる」




「うぅ…お姉様ぁ…」



「よしよし黒子、もう夜中にホラーゲームするんじやないわよ?」



「はい…。本当、後悔先にたたず、ですわ」



でも、こうやってお姉様が黒子をあやしてくれるのなら、それも悪くないかもしれない



なんて思ってしまう黒子がいたり。










夜中にホラーゲームはやめよう
経験者の私が語ります。寝れなくなる

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