小説

□4月の嘘
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「黒子、好き」



就寝前、お姉様の布団に潜り込んでいつもどおりじゃれあって眠りにつく。



そういった予定だったのだが、お姉様のとんでも発言により狂ってしまった。



布団へ侵入しても何の抵抗もないのでおかしいとは思っていたが…



これは一体どういう事なのだろう…



「黒子は私の事嫌い?」



「い、いえ!そうではなくて…」



いつになく真剣な表情。
もしかして本気…?


だんだんと距離を縮めてくるお姉様に後ずさりをしていく中、あるものが目に入った。


カレンダー…
今日は4月1日…


……エイプリルフール!!



なるほど、そういうことですか。



「んもう!お姉様ったらエイプリルフールだからってそんな冗談!」



「…え?」



「しらばっくれても無駄ですわよ!すっかり忘れてましたわ」



「…あぁ、今日はエイプリルフールだったわね」



「知らないふりしても騙されませんわよ?危うく本気にしてしまう所でしたわ」



びっくりした、と言わんばかりにホッと胸をなで下ろし、安堵のせいかひどい眠気に襲われる。



自分のベッドへ戻り部屋の電気を消して横になった瞬間



「黒子は私に嘘つかないの?」



同じくベッドに寝っ転がったお姉様が問いかけてきた。



「もちろん、最愛の方に嘘など申し上げません。と、言いましても反応が気になってちょっとした嘘をついてしまいそうですわ」



「そう…そんな黒子にとっておき情報を教えてあげるわ」




「何ですの?」



「エイプリルフールで嘘をついていいのは朝までなのよ?」




「へぇ、それは初耳………え?お姉様、ならさっきのお言葉は……」



「ふぁあ…明日はやいし寝るわね。おやすみ黒子」



「えぇ!?ちゃんと答えて下さいましぃ!」



も、もしかしてエイプリルフールは朝までだと言うことが嘘なのか、それとも本当にそうなのか…


ならお姉様は私の事が好………
も、もももももしそうだったとしてもそれは後輩として、ご友人としてとの場合がありますし………




「いったいどっちなんですのぉ!!」




その後、なんだかんだ考えてるうちに朝になり目の下にはくっきりクマができたそうで。



美琴の言葉の真相は本人以外まだ誰も知らないだとか。









おわり
PS,朝までというのは本当らしいです

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