小説

□勘違い
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ずるり。


白井黒子は持っていた鞄を手から落とし、アスファルトへと叩きつけられた。



絶句。



黒子の目に入ったのは、愛しいお姉さまと類人猿の上条当麻が仲良さげに会話を交わしてる姿。



お姉様のあんなに楽しそうな顔…見た事ない……



「あ、黒子」



お姉様はわたくしの存在に気付き、ぶんぶんと手を振ってくる。



わたくしは手を振り返さなかった。
目も合わさなかった。顔も見なかった。



わたくしという彼女がいながら…
何故……何故あんな類人猿の隣で、しかも平然な顔をして黒子に手を振るんですの…っ



「ちょ、ちょっと!!」


こみ上げてきた感情を爆発させる前に、わたくしは走ってこの場を離れた。



走らなくてもテレポートをすればいい話なのだが、テレポートは複雑な演算が必要なため、今こんな状況で集中できるはずもなく。



「待ちなさいよっ!」



お姉様が追ってくる。
だが黒子は止まらない。



「逃げんなってばぁっ!!」



バチバチッ、と電気の走る音が聞こえたと思えば、いつの間にかお姉様に手を掴まれていた。



















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