小説
□走る、走る!
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「あら?」
放課後、ホームルームが終わった後にお姉様と一緒に帰ろうと思い、迎えに来たものの、お姉様の姿が見あたらなかった。
近くにいたお姉様のクラスメートに聞いた所、わたくしのクラスに行ったとか。
もう一度自分のクラスに戻ってみたが、お姉様の姿どころか人一人いない。
もしかしたらもう寮に戻ったのかなと考え、テレポートで寮に帰った。
「白井」
部屋のドアノブに手をかけた途端、寮監に呼び止められた。
「何ですの?寮監様」
「御坂がさっきお前を探して外へ出てったぞ」
「な…っ、ほんとですか!?どこへ向かったかご存じですの?」
「確か177支部に行くとか言ってた気が…」
「わかりました、ありがとうございましたですの!」
私は急いで支部へと走った。
寮内で走るな、と寮監様の怒声が聞こえたが気にしている暇などない。
テレポートするなんて事は頭になかった。
お姉様が黒子を探してくれてる
お姉様が黒子を待っていてくれてる
そう考えると気分が高まり、テレポートの演算なんかに集中できるはずもなかった。
だから黒子は走りますの。
愛しくて愛くるしい
お姉様のためにっ!
待ってて下さい、お姉様っ!
走る、走る!