黒琴

□10.
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「ぷはーっ、食った食った!!」



満足そうにゴロンと寝転ぶ佐天さんに、私はクスリと笑った。



今私たちは、旅館で豪勢な晩御飯を食べ終わったところだ。



時計はちょうど9時をさしている。



立派な旅館に
豪華なご馳走。



文句一つなく、充実した時間だが、



「お姉さまーっ」



これ(黒子)をなんとかしてほしい。



さっきからやけにひっついてくるし、甘えた声で私を呼ぶし…



いや、嬉しいんだよ…?


今すぐ抱きしめたい衝動にかられるんだけど、初春さんと佐天さんみてるし…っ




「お姉さま、照れなくてもいいんですよ?」



「だ…誰も照れてないわよ」



「そんな事いってーお姉様ったら実を言うと「白井さんッ!!」」




ガタッと大きな声をあげて立ち上がった初春さんに、三人の視線が集まった。




「ちょ…ちょっときてくださいっ!」




「へ?初春?」





強引に黒子の手を引っ張って、部屋から出て行った。















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