黒琴
□14.
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男子学生2人は、黒子を見てピタリと動きを止めた。
私は見逃さなかった。
その2人が口角を上げたのを。
「黒子後ろッ!!!!」
気づいた時はもう遅かった。
学生2人の仲間だろうか。
黒子の背後に、鉄パイプを持ったもう一人の男子学生が現れ、
ゴッ
鈍い音と共に、黒子はアスファルトへ倒れ込んだ。
「はっ、こうやってもみあってると風紀委員が来ると思ったんだよっ!!!!」
「白井さぁああんっ!!!!!」
初春さんが黒子に近づく。
男子学生は逃げる。
私は立ちつくす。
今この状況がワカラナイ。
頭が真っ白になり、ここから先は記憶に残ってない。
ただ覚えてるのは、アンチスキルが来たのと、頭から血を流し、ぴくりとも動かない黒子を病院に運ばれる姿だ。
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