黒琴
□15.
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学生達が暴れだす事件が解決して2日目、黒子は未だに目を閉じたままだ。
点滴をしてない方の手を握り、ずっと黒子の名前を呼ぶが一向に起きる気配がない。
もしかしてあの医者の言うとおり、黒子はもう…
ぐっと手に力が入る。
そんなの…私が許さない…っ
「う…ぅ、ン…」
「黒子っ…!!?」
むくり、と何事もなかったかのように起き上がる黒子を見て、安心の涙を流す。
「…ばかっ、心配させて…」
「…だれ?」
「へ…?」
「あなた…誰ですの?」
どくんっ
心臓が激しく脈を打つ。
まさか…記憶喪失…ッ!!?
そんな…せっかく目を覚ましてくれたと思ったのに…
「黒子…本当に、私が…わからない?」
「はて、黒子とは誰の事でしょうか?」
「そ…んな…っ、」
「ですが、何だか思い出しそうな気が…」
「本当っ!!?ど、どうやったら思いだせる??」
「…そうですわね…お姉さまから熱いキスをして下さったら全て思い出しますわ」
記憶を無くした黒子は、可愛くウインクしてみせた。
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