黒琴

□24.
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「はぁ…」


わたくし白井黒子は力無く溜め息をついた。


昨日はお姉さまが電撃をいつも以上に放ってきたので大変でした…


昨日の今頃はミサカさんと一緒にいたなぁ、なんて呑気な事を考えて歩いていると、ごつんと足元に何か当たったので下を見下ろした。



…ごみ?
なんでこんな所にごみが…


ふと見渡してみると、あたり一面ごみで散らかっていた。


ごみが散乱しているその真ん中で、がさごそとゴミ箱をあさるどこか見覚えのある少女の後ろ姿。


ゴミを散らかした犯人は、どうやらこの少女みたいだな。


全く、清掃ロボも何してるんだか…


「そこのあなた、何をしてらして?」


「………」


返事はない。

よほどゴミあさりに夢中なのか、わたくしの声なんて耳にも入っていないようだ。



「ゴミをあさるの…よして下さいます?」


返事はない。


「…もしかしてお腹空いてますの?」


ぴたっ。


少女の手が止まり、勢いよくこちらを振り向いてわたくしは目を見開いた。


なんたって目の前でゴミ箱あさってた少女がお姉さまそっくりだったから。


正確に言うと、幼いころのお姉さまそのものだった。


昨日に続き今日もお姉さまのそっくりさんに会うとは…


この子に、御坂美琴お姉さまと似てますが姉妹か何かですか?と聞いたところで、ミサカさんみたいにスルーされるに違いない。
きっとそうだ。


その少女はじっとこちらを見つめ、まるで助けを求めているかのように見えた。
















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