黒琴
□25.
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朝、ドタバタと騒がしい足音で目が覚めた。
何事だ?と疑問を抱き、眠い目をこすってみると、そこには着替えながらパンをくわえてる黒子の姿。
「おはよ…、黒子…」
「あら?お姉さまお目覚めになりましたのね、おはようございます」
上半身を起こし、濁った声を出しつつ背伸びをする。
そして時計を見てある事に気づいた。
「黒…子…、学校始まるの…後何分…?」
「…五分ですの」
… 遅 刻 す る ッ !
私は急いで布団を蹴飛ばし、ベッドから飛び降りた。
「何で黒子起こしてくれなかったの!!今日は文化祭なのにっ」
そう、今日は年に一度常盤台で開かれる文化祭がたあるのだ。
一年から三年までクラスごとで出店などを出したり、他校の人が見に来たりできる特別な日。
なのにこんな日に遅刻なんてしたら、寮監に首をかられるだけじゃすまないだろう。
「何度も起こそうと致しましたが、お姉さまったら寝言で黒子の名前を何度もお呼びになるので起こすに起こせなかったんですの」
「な…っ!!?そんなの言ってないし!!」
「寝言なんですから自覚はなくて当たり前です。ほら、これが証拠ですの」
黒子は自分の携帯をズイッと私に見せつけた。
おそるおそる見てみると、そこには寝返りをうちながら黒子の名前を連発する私の姿が…
な、何ムービーで撮ってんのよこの子はっ!!
「け、消しなさいよっ」
「いひゃいれふの、お姉はまぁ〜っ」
柔らかい黒子のほっぺを手加減なしにつねってやったが、痛がるどころか逆に喜んでる黒子はMだ。
きっとそうだ。
でも、今黒子に触れてわかったんだけど…
黒子…震えてる…?
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