黒琴
□30.
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「いったぁああっ!!?」
朝、目覚まし時計より大きな黒子の叫び声で目覚める。
なにやら頭痛がひどいらしい。
それもそのはず、昨日お酒を大量に飲んだからだ。
吐き気がするみたいだし、完璧な二日酔いみたい。
「昨日あんなにお酒飲むからよ、全く…」
「お酒…?いやですわお姉さま、黒子まだ未成年ですのよ?お酒なんて飲みませんわよ。…ですがおにぎりを作ってからの記憶が曖昧ですわ。どうやって寮に戻ったんでしたっけ…?」
…もしかして黒子……
覚えてない…?
な、なんてお気楽な子なんだ…っ
そんな所も可愛いけども…
「でも今日非番で良かったじゃない」
「まったくです」
「あ、そうだ。今から私出掛けるけど、どうする?」
「ご一緒します、と言いたい所ですが頭痛がひどいので遠慮します。それに黒子も少し用事があるので」
「用事…?」
「あ、いえ…お気になさらず」
「……?じゃぁ行ってくるね。机の上に水置いとくから」
「ありがとうございますの…」
いえいえ、と手の平を軽く振りながらドアノブに手をかけ、私は寮から出て行った。
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