黒琴
□31.
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「初春さん、佐天さーん!」
「「み、御坂さん!?」」
数分後、私は初春さんたちのいる喫茶店にたどり着いた。
ずかずかとあつかましく佐天さんの隣に座り、ミルクティーを注文する。
何の報告もなしにやって来たので、二人は驚いた様子だ。
「さ…流石御坂さん…白井さんの事になると食い付いてきますね…」
「あったりまえでしょ初春さん!で、黒子は?」
「あっちの斜め後ろの席です」
ゆっくりと首だけを後ろにまわすと、そこには黒子の後ろ姿と固法先輩の深刻そうな顔が見えた。
…あれは正真正銘
間違いなく黒子だ。
「本物、ね…」
「でしょでしょ!?あれ絶対白井さんですもん!」
「いったい何の話なんでしょうね…?」
「ここからじゃ全然聞こえない…」
「白井さんに盗聴器でもつけてれば良かったですねー」
にこやかにえげつない事を発した佐天さんに開いた口がふさがらなくなったが、初春さんはなんの反応も見せない。
あれ、驚いてる私がおかしいの?
ん、ん?
すると佐天さんは何かひらめいたようでポンと手を叩き、声のトーンを落として
「白井さんの後ろの席、ちょうど開いてますし……いっちゃいます?」
つまり盗み聞きしようというわけか。
「だ、だめですよ盗聴なんて!プライバシーの侵害です!」
「じゃぁそこで指をくわえて待ってればPCオタク。行きましょ佐天さん」
「あいあいさー」
「PCオタク!?なんか私の扱いひどくないですか!?」
「気のせいようざ春」
「佐天さんんんんんんんっ!!!?」
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