黒琴
□33.
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「うーいーはーるーっ!!」
学校の帰りしな、いつものようにとぼとぼと一人寮に向かっていた。
後ろから佐天さんの声が聞こえたのと、足もとが急にすずしくなったと思えばスカートがめくられてたのはほぼ同時。
「おっ、今日は珍しく大人っぽいパンツはいてんじゃん」
「きゃぁあ!!?こんな所でめくらないで下さいいいッ」
「まぁまぁ、ただの挨拶だよ」
「だからってこんな人前で……」
「じゃぁ人前じゃなけりゃいいんだ?」
ボソリ、と耳元で囁かれ思わずドキッとしてしまった。
そんな…耳元で呟くなんて……ずるい。
佐天さんの顔は見えないけど、きっとニヤニヤしてるに決まってる。
「な、なんていうか……人前でスカートめくらなくても、私のパンツは…佐天さんだけ知ってればいいっていうか……なんていうか……」
もごもごと口をごもらせながら、何を言ってんだと後悔したがもう遅い。
佐天さんは声にならない声をだし、
「初春ぅううッ!!あんた何でそんなに可愛いのーッ!!?」
叫びながら抱きついてきた。
「ひゃわっ!?突然抱きつかないで下さいー!!」
「あんたが可愛いのがいけないのよ、このこの!」
「い、意味わかりません!ぎゃわー!!抱きつきながら花散らさないで下さいいい!!」
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