黒琴
□37.
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大晦日、朝っぱらから今にわたってこのくそ広い学校を掃除していた。
寮に戻って窓を見ると辺りは茜色に染まっており、カラスがうるさく鳴いていた。
夕日がきれいなぁ、なんてたそがれていたが、あまりの疲れに私は顔面からベッドにダイブした。
もう今日はこのまま寝よう。
夕飯食べる気力も着替える力も何もない。
うとうとと夢の世界へ足を踏み入れた時、
「おねぇーさまっ!!」
今にも扉が壊れそうな勢いで、黒子は元気よく扉を開けて帰ってきた。
いつもよりえらくご機嫌な感じで。
おかげで一気に眠気がさえた。
よく見ると黒子の両手には、ほうきとはたきが握られていて…
ま、まさか…
「お掃除しますわよ、お姉さま!!」
やっぱりかぁぁあああっ!!
さすがに疲れるでしょ!
てかもう疲れてるけど!!
「はい、これお姉さまのほうきとはたき!」
そんなにこやかな笑顔で渡されても困るんだけど!!
「黒子…ずっと掃除してて疲れてないの…?」
「まぁ多少は疲れてますが、お姉さまと私の愛の巣は綺麗にしないと気がすみませんの!」
「愛の巣…って…」
多少呆れる所もあったが、部屋を綺麗にして損する事もないしな、と思い黒子から掃除道具を受け取った。
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