41〜

□44.
1ページ/6ページ





ギイィ………ギイィ……



きしむブランコの音。




わーきゃーはしゃぐ子供達の声。



そんな子供達とは別に、一人の少女はブランコに腰をかけていた。



風がよぎる度に泥だらけの服とセミロングがなびく。



おもしろくない。
ブランコのきしみの音に負けるくらい小さく呟いた言葉。




何度目になるかわからないため息をつくため、大きく息を吸った瞬間




「一人で何してんの?」




声をかけられた。



小4くらいの私と歳はさほど変わらない茶髪の女の子に。



彼女はニコニコと眩しいくらいの笑顔を見せ私を見つめてくる。




長年この街に住んでいるが見た事のない顔だ、というのが第一に感じた事。



そしてもう一つ感じた事は…、


「暇なら一緒に遊ぼうよ」



「…生憎、わたくしは今探し物をしてますので」



「探し物?なら私も手伝う!」



「いえ、見ず知らずのあなたに手伝ってもらうのは…」




「じゃあ今日から友達ね!もう他人じゃないでしょ?」




「…………」



自分とは違い、活発で明るい子。
正直あまり合わなさそうなタイプだと思った。




「でも、私引っ越すからあなたと友達でいれるのは1ヶ月だけなんだ」



「そう、なんですか…」




「で、何探してるの?」




「…黒いリボン」




「おっけー。この私にどんっと任せちゃって!」




誇らしげに胸を叩いて草村へと歩いて行ったけど、




本当に大丈夫なのだろうか…












次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ