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□44.
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ギイィ………ギイィ……
きしむブランコの音。
わーきゃーはしゃぐ子供達の声。
そんな子供達とは別に、一人の少女はブランコに腰をかけていた。
風がよぎる度に泥だらけの服とセミロングがなびく。
おもしろくない。
ブランコのきしみの音に負けるくらい小さく呟いた言葉。
何度目になるかわからないため息をつくため、大きく息を吸った瞬間
「一人で何してんの?」
声をかけられた。
小4くらいの私と歳はさほど変わらない茶髪の女の子に。
彼女はニコニコと眩しいくらいの笑顔を見せ私を見つめてくる。
長年この街に住んでいるが見た事のない顔だ、というのが第一に感じた事。
そしてもう一つ感じた事は…、
「暇なら一緒に遊ぼうよ」
「…生憎、わたくしは今探し物をしてますので」
「探し物?なら私も手伝う!」
「いえ、見ず知らずのあなたに手伝ってもらうのは…」
「じゃあ今日から友達ね!もう他人じゃないでしょ?」
「…………」
自分とは違い、活発で明るい子。
正直あまり合わなさそうなタイプだと思った。
「でも、私引っ越すからあなたと友達でいれるのは1ヶ月だけなんだ」
「そう、なんですか…」
「で、何探してるの?」
「…黒いリボン」
「おっけー。この私にどんっと任せちゃって!」
誇らしげに胸を叩いて草村へと歩いて行ったけど、
本当に大丈夫なのだろうか…
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