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「あー、見つかんない…」
数時間後、散々探し回ったあげく公園にリボンは落ちてなかった。
私と同様、茶髪の子も服が泥だらけになっている。
こんなにも探して無ければお店で新しいのを買えばいいのだが、それをしないのにはちゃんとした理由がある。
あのリボンは母親からの大事なプレゼント。
なくしたなんてとてもじゃないが言えない。
「…ごめんなさいですの…、あなたまで巻き込んでしまい…」
「友達だから平気だって!まだあっちら辺探してないから行こ!」
「ですがもう外も暗くなってきましたわ。そろそろ帰らなくては御両親が心配しますわよ?」
茶髪の子は時計を見た瞬間、げっ、と少し顔をひきつらせたがそれは一瞬の事で。
「げ、げこたっ!!?」
私の鞄についてたかえるのマスコット人形に目を釘付けにしていた。
異様に目をきらつかせる泥まみれになった少女にきょとんとした。
「このかえる好きなんですの…?」
「うんうんっ!げこた可愛い!」
「…こんな両生類好きな方初めて見ましたの」
クスリ、と思わず微笑んでしまった。
自分とは違い、活発で明るい子。
正直あまり合わなさそうなタイプだと思った。
だけど、そんな彼女と一緒にいるのも悪くないとも感じた。
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