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「言っとくけど…黒子はもう私のものよ?付き合ってるし」



「でしょうね」



「なら潔く諦めたらどうかしら」



「まさか。そんな軽いラブじゃありませんから。」



バチバチと火花が飛び散る。
一人場違いな桜子ちゃんことさくちゃんはそんな私たちを興味深く観察していた。




「先に報告してあけるけど黒子は私にぞっこんよ!?お姉様って慕われてるし」



「だからなんですか。私なんて黒子さんの幼少時の写真をわんさか持ってるんですよ」



「ぐ…、羨ましい…。でも私なんか黒子とお風呂入ってるし!」



「黒子ちゃんがお漏らししちゃった写真まであるんですよー?」




「みせて下さいお願いします」



「…なにやってんですの…」



いつの間にか真後ろにたっていた黒子。
その顔はひどく引きつっていて。



「は、はやかったのね黒子…」



「騒がしかったので様子を見にきたら…なんですのこの写真!お姉様もなにゆえ興味津々で…」



「だってこんな写真めったに手に入らないわよ!?レアよレア!」



「このような写真がしょっちゅう出回ってたらたまりませんわ。没収致しますわね」



「え、そんなぁ!」



「あんまりですよ黒子さんー!」



「それはこっちのセリフですわ。でも二人とも仲良くしてるみたいで安心ですの」




「なっ!?別に…仲良くなんて…」



「御坂さんは私のライバルです。仲良くだなんてしてません」



「強がりな所もそっくりですわ」



「だから違うって!」



「それより黒子ちゃん、さっきおばさんに呼ばれてたのはなんだったの?」



空気と化していた桜子ちゃんがとっさに口を開いた。



この中で桜子ちゃんが一番まともかもしれない。


そりゃそうかまだ幼いんだし。



「おっと、そうでしたわ。買い忘れたものがあってこれから商店街に行くらしいんですがあなた達も行きますか?」



「商店街!?行く行くー」



「へぇ楽しそうね」



「皆さんが行くなら私も」



「決まりですわね。玄関でお母様が待ってますわ。さぁ行きましょう」




お母さんを待たせるのは申し訳ないんで、私たちは急いで玄関へと向かった。



これといった貴重品なんてないし手ぶらでも大丈夫であろう。



「ん?」




外へ出たとき庭の方から一つの人影が見えた。



敷地内に入って何をしてるんだろう…



きっと黒子のお父さんか親戚の人よね。



でも、身内の人なら何で普通に玄関から入ってこないんだろう…



「お姉さま?」



「あ、ごめんなんでもない」



その場で立ち止まってる私を心配して顔を伺ってくる。



おかなしなお姉さま、なんて笑いあってる内に先ほどの疑問は頭から離れていった。








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