短編小説B 

□『Just tell me your love』
1ページ/1ページ





ガォン…ッと脳天に響くエンジンの音。

「━━隼人!どこ行くのさ…!」
バイクの後ろで必死に隼人の腰にしがみついて、風を避けるように広い背中に顔をくっつけオレは必死で隼人に尋ねる。
(怖い怖い怖い━━!!)
ひぃい!
隼人が内緒でバイクに乗ってんのなんか、知ってたけど乗せてもらった事なんかなかったから…!

ぎゅっと腕に力を入れる。
春とはいえ三月の風は冷たい。
隼人はそんなオレの反応に気を良くしたのか、少しだけスピードを緩めてニッと笑った。
「いートコ!お前と俺で、二人っきりになれるよーな!」

オレはその言葉に、メット越しにボンッと赤くなった。














今日は3月14日のホワイトディだ。学校から帰るなり、オレは隼人に連れ出された。

(二人っきりで過ごそうとは言っていたけど…)
「ここは…?」
メットを外し、キョロリと見回す。
ドルン、ドルンとマフラーを鳴らしエンジンを切る隼人。
夕刻、着いた場所は海の見える高台の別荘だった。

「親父の別荘、借りたんだ」
チャラ、と鍵を鳴らし重そうな扉を開ける。瀟洒な造りの中は綺麗に掃除されていて、パッと灯りをつけると眩しくて綱吉は目を細めた。

「…ここまでしなくても良かったのに…う、わ!??」
思わずボソッと呟くと、背中からぎゅうっと隼人に抱きしめられる。

「…だって、こうでもしねーと、邪魔が入るだろ?」
「ちょ、ちょっと…!」
ぎゅうぎゅうと抱きしめられたまま、拗ねたように隼人がボソッと呟く。

「もう…っ///」
オレは降参、と身を預ける。確かにバレンタインの時も然り、二人がいちゃこらしようとすると、何処からか邪魔が入るのだ。

「もう…っしょうがないなあっ」
甘えてくるようにスリスリ擦りよる自分よりデカい男を捕まえて、可愛いなあって思ってしまうオレは末期だろうか、う〜ん。
飴色の瞳が、怒ったようにキラキラ光る。

(…って)
「え?あ!?ちょ…っ」
いつの間にか妖しい動きをし出した手の平に、ピクッと身体が跳ねる。

「止めろよ!オレまだシャワーも浴びてな…っあ!?」
ゴソゴソとシャツの裾から忍び込んだ手は、器用に先端を捉え、愛しげにクニクニと突起を弄ぶ。

「ダメ…もー限界。綱吉があんまり可愛いから」
(必死でしがみつく感触が、マシュマロみてーに柔らかくって)
熱っぽく囁きながら、熱い舌で耳朶の後ろを食む。

「ああ…っ」
ビクンと悶える綱吉。掴まれた手を隼人の股間にいざなわれて、綱吉は熱いソレに触れさせられる。

(あ…あ、隼人、の)
無理やり運ばされた手を、躊躇いがちにそろそろと這わすと、うっ、と低く吐き出される声が、艶めいて綱吉の耳を打った。

(飴とかチョコとかマシュマロじゃなくて)

今夜はコレを食べさせられてしまうのだろうかと、綱吉はゾクッとしながら熱い息を吐き出した。





━━━


ちょこっと裏に続きたい〜///
可愛い二人のラブえっち(笑)


【title:睡恋】


 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ